
ホテルの部屋(4)枡一客殿ますいちきゃくでん 長野小布施の蔵を改装した田舎の一流ホテル旅館
住所:長野県小布施町808 026-247-2027
(評価)☆☆☆☆1/2☆
(コメント)
◆2007年9月2日オープン。桝一の主人の「本来、我が家にお泊りいただくところを…」の気持ちから、「桝一客殿」と命名しました。「蔵部」や「桝一市村酒造場本店」を設計した建築家ジョン・モーフォード氏が、「小布施に来たら、こんな所に泊まりたい」との思いを自ら具現化した宿です。 長野の老舗砂糖問屋さんから移築した土蔵3棟を中心に7棟の木造家屋により構成され、内部は完全西洋式しつらえです
◆土壁や瓦、さざなむ水面に織りなされる光と影の回廊を経て、静寂ただようプライベートな空間へ。土蔵や老舗問屋の蔵に配された12の客室はすべて居室とベッドからなる洋室です。その日あったこと、忙しかった日常が静かに想い出の底に沈んでいく。そんな時間をすごせる空間です。予約時に人数や滞在のスタイルを連絡すると最適な一室を選んでくれるそうです。
◆今回はホテルジャンキーの仲間6名それぞれの好みの部屋に宿泊しました。
重たい扉を押して中に入ると、なんだかホテルのような雰囲気の天井の高いモダンなロビー。
その空間に対して、スタッフは全員、枡一酒造のハッピを着た男性というのがちょっと
ギャップがあっておもしろい。記帳を済ませるとロビー棟を出て、池に面した渡廊下を
通って宿泊棟へ。その途中には古い土蔵を改修したライブラリがあり、宿泊客は自由に
入って本を読むことができる。
◆客室には「書斎型」と「リラックス型」、「リビング型」があり、今回私が宿泊したのは
書斎型の部屋。客室も蔵を改修して造られており、本日の部屋は白壁土蔵の1階にある。
部屋には特に名前や番号が付いておらず、入口にはルームナンバーの代わりに葛飾北斎の
浮世絵が。実は部屋の鍵にも同じ浮世絵が描かれており、部屋と鍵とが絵あわせになっている。
ちなみに今回泊まった部屋の絵は「深川万年橋下(富嶽三十六景より)」。
江戸時代に北斎を小布施に呼び寄せ、パトロンとなったのは枡一酒造第十二代当主の高井鴻山。
というわけで、北斎と小布施、とりわけ枡一酒造とは深い関わりがあるのです。
部屋に入ると、主室は大きなベッドのあるツインルーム。天井が高く、全体的に照度の低い
間接照明を多用した落ち着いた感じとなっていて、書斎タイプというだけに机と椅子もある。
北斎の画集も置いてあって、自分の部屋の浮世絵を探すのも楽しい。設備的には空調の他に
床暖房も完備。大きな薄型テレビにDVDプレーヤーも備えられており、ここでお気に入りの
DVDを見る過ごし方もいいなと思いました。さっきのライブラリで、書籍のほかにDVD貸出
とかあるといいなと思ったけど、ちょっと欲張りすぎか。あと、冷蔵庫の中やルームサービスの
ソフトドリンクは無料で飲めるのがうれしいところ。翌日の朝刊も部屋まで届けてくれます。
書斎部分。それにしてもテレビが大きい。
主室の他にはWC、そして面白いのはガラス張りの浴室。天井から雨のように降り注ぐレイン
シャワーに、浴槽もガラス製。、今回はおもしろいので何度か風呂に入りました。
◆この宿にはレストランがないが、宿のすぐ近くに和食の「蔵部」、イタリアンの「傘風楼」
という枡一酒造の直営店があり、ここで食事をした場合は、部屋の鍵を見せれば食事代をツケに
して、チェックアウト時にまとめて精算することができる。今回の夕食は「蔵部」を選択。
酒蔵の蔵人が冬の酒造り期間に泊まり込んだ際に食したとされる「寄り付き料理」をコンセプト
にしたオープンキッチンの店内には、ハッピを着たスタッフが忙しく行き来している。
翌朝の朝食は、イタリアンレストラン「傘風楼」にて。朝焼きのパンに自家製ジャム、野菜の
スープと生ハム、卵料理はいろいろと選ぶことができて、今回はイタリアのオムレツ「フリッタータ」。
最後は自家製チーズのデザート。ボリュームもありおいしかったです。
◆全体的に今回初めて泊まってみての感想は、建物や客室は、古い蔵をモダンなセンスで再生させていて、遊び心があちこちに散りばめられていておもしろい。
全スタッフが客の顔と名前を覚えていてよく気が利くし、きびきびと迅速に対応してくれる。
1泊朝食付き2名の宿泊料金は35000円(税抜)。ちょっと高いかな、夕食付きでこの値段なら
納得だけど、って印象ですが、のんびりとくつろげるところは気に入ったので、また小布施で
ゆっくり過ごしたくなったら利用したいと思います。
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